社会医療法人 札幌清田病院

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診療科のご案内

血液内科

 血液内科の入院患者さんの内訳は、急性白血病10%、悪性リンパ腫30%、多発性骨髄腫15%、MDS10%などで、造血器悪性腫瘍が約70%を占めています。

 患者さんのQOL(生活の質)を重視し、入院治療と外来化学療法を組み合わせて行っております。

 造血幹細胞移植が必要な患者さんは、札幌医科大学付属病院をはじめとした移植可能施設と連携をとり、スムーズな治療継続を行っております。また、高齢者の血液患者さんも多いため、年齢や、臓器予備能に配慮した少量化学療法や、緩和病棟と連携した緩和療法などにも対応しております。併設しているNST(栄養サポートチーム)を中心とした栄養指導や、口腔内ケアをはじめとしたきめ細やかな看護を行っています。

血液内科の対応疾患

貧血
鉄欠乏性貧血・再生不良性貧血・巨赤芽球性貧血・溶血性貧血など
急性白血病
急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病
慢性白血病
慢性骨髄性白血病・慢性リンパ性白血病
骨髄異形成症候群
骨髄増殖性腫瘍
真性多血症・本能性血小板症・骨髄線維症など
悪性リンパ腫
ホジキンリンパ腫・非ホジキンリンパ腫など
多発性骨髄腫
特発性血小板減少性紫斑病
出血性疾患
血友病、フォン・ヴィレブランド病、抗リン脂質抗体症候群など
血栓症
上記血液内科疾患のほとんど。
各種健康診断。

血液内科の主な検査

骨髄穿刺、生検
腸骨(骨盤の骨です)に局所麻酔をした後、穿刺針で、骨髄液や骨髄組織を採取します(胸骨で行う場合もあります)。
通常の検査の他に、必要に応じて、染色体検査、遺伝子検査、モノクローナル抗体を用いた検査を行います。
リンパ節生検
リンパ節腫脹(腫れている)の患者さんで、悪性リンパ腫が疑われる場合、診断を確定するために行います。体表のリンパ節が腫れていず、腹腔内にしかリンパ節腫脹が無い場合には、当院外科の先生に依頼し、腹腔鏡により、手術室で行っております。
HLAタイピング
造血幹細胞移植に際し、患者さんとドナーの白血球の型が一致するかどうかを調べる検査です。
血液型と違い、HLAの型は多く、その 組み合わせは数万通りと言われています。通常の採血で検査を行います。
胃・大腸内視鏡検査、ダブルバルーン小腸内視鏡検査
胃、大腸の悪性リンパ腫はもとより、小腸のリンパ腫を疑う患者さんに対し、積極的に内視鏡検査を施行しております。
消化管原発の悪性リンパ腫の早期発見、又、化学療法後の治療効果判定に際し、内視鏡検査を行います。
  • 診療実績

    急性骨髄性白血病に対しては、多剤併用の化学療法を行って良好な成績をあげています。

    慢性骨髄性白血病では、グリベックをはじめとした分子標的療法により高い治療成績をあげています。グリベックが効かない患者さんには、第二世代のチロシンキナーゼ阻害剤の導入を行っております。多発性骨髄腫に関しては、化学療法の他、サリドマイドおよびボルテゾミブを用いた分子標的療法を行い、良好な成績をあげています。

  • 血液の病気
    血液細胞

     全身を流れている血液には、白血球、赤血球、血小板という3種類の細胞があります。これらの細胞は、造血幹細胞とよばれる、大もとになる細胞から、骨の中にある骨髄という場所で造られています。白血球は細菌やウイルスといった外敵と闘い、赤血球は全身の細胞に酸素を運搬し、血小板は出血した際に血を固め、出血を止める働きをします。
    当科では、これら3種類の血液細胞が異常を来すことによって起こる様々な血液の病気を主に治療しています。

    1. 白血球の病気
      白血球は、細菌やウイルスと闘う兵隊さんの働きをしており、これらの感染症では、白血球の増加が多く見られます(一部のウイルス性感染症では、減る場合もあります)。健康診断で白血球増多を指摘されて、受診される患者さんは、頻度的にも、風邪(感染症)などに伴う白血球増多症が多く、再検査した際の採血では、白血球は正常化しており、一過性の白血球増多であったことがわかります。ただし、稀ながら、悪性疾患もあります。悪性疾患には、白血球が「がん化」してどんどん増殖する白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった病気があげられます。これらは、造血器悪性腫瘍と総称され、「血液のがん」といえるものです。また、骨髄異形成症候群という白血病の前段階とされる病気もあり、これらは、当科で扱う中心的な病気です。
      白血球には、好中球や、リンパ球などの様々な種類があり、またこれらの白血球は、造血幹細胞からいくつかの段階を経て(分化とよびます)作られますが、上に述べた様々な造血器腫瘍の違いは、どの種類の、どの段階の白血球が腫瘍になったものか、ということで名称が変わります。たとえば、造血幹細胞に近い未熟な白血球のある段階で腫瘍化して、骨髄の中で急速にふえるのが急性白血病(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病)、リンパ球とよばれる白血球が、全身に分布するリンパ節で増殖するのが悪性リンパ腫、免疫グロブリンという蛋白質を作る形質細胞とよばれる白血球が、骨髄の中で増殖するのが多発性骨髄腫です。
      尚、慢性白血病(慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)は、造血幹細胞に近い未熟な白血球が分化能をもちながら腫瘍化した病気です。急性=急激、慢性=緩か、という意味ではありませんが、病態的には、急性は進行が早く、慢性は比較的緩やかに進行します。ただし、慢性白血病も進行すると急性白血病のようになり、急性転化といいます。
      これらの病気は命にかかわりますが、幸いなことに、抗がん剤治療(化学療法とも言います)、放射線療法、骨髄移植といった治療を組み合わせることにより、治癒に導くことも可能です。
      当科では、こうした造血器腫瘍の治療が診療の中心になります。
    2. 赤血球の病気
      赤血球が減った状態が貧血です。赤血球が減る原因により、「○○貧血」と名のつく様々な病気があります。最も頻度が多い貧血は、急激な成長やなんらかの出血によって鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血です
      男性では、胃癌、大腸癌などの悪性腫瘍や、胃潰瘍、大腸ポリープからの出血が原因のことが多く、女性では、生理による出血、子宮筋腫で認めます。その他、赤血球の材料であるビタミンB12、葉酸が不足した場合には、赤血球の大きさが大きくなる(大きくなりますが、数は減っています)巨赤芽球性貧血も知られています。造血幹細胞の異常によって、赤血球のみならず白血球や血小板も作られにくくなる再生不良性貧血、きちんと造られたにもかかわらず赤血球がさまざまな原因で壊れてしまう溶血性貧血などがあります。これらは、自覚症状では、だるさ、動悸、立ちくらみなどの、いわゆる貧血症状という共通の状態を引き起こしますが、原因が異なるため、治療の方法も大きく異なります。
      赤血球が増えた状態が赤血球増多症です。造血幹細胞の異常で、赤血球が増える病気は、真性赤血球増多症であり、治療としては、体から血を抜く、寫血療法を行います(1回につき、200ml~400ml)。寫血で効果が不十分な場合には、ハイドレアなどの抗がん剤を使用します。
      また、タバコ、肥満、ストレスが原因の二次性赤血球増多症という病気もあり、二次性の増多症では、禁煙、ダイエット、ストレス解消が重要です。
    3. 血小板の病気
      様々な原因で血小板の数や機能が低下すると、紫斑(皮下出血)ができやすい、血が止まりにくい、といった易出血状態になります。血小板が減る病気で比較的多いものが、薬剤性血小板減少症で、薬剤による副作用で、血小板が減る病気です。
      治療は、原因となる薬剤を中止することですので、自分が飲んでいるお薬は、どこの病院で、いつ処方されたのかを把握していることが重要です。お薬の名前は、難しく覚えられない場合が多いですが、薬手帳は準備しておくことが治療の近道になります。
      その他、血小板減少で、代表的な病気は、特発性血小板減少性紫斑病です。これは、風邪を契機に発病することが多い病気で、何らかの免疫異常で、自分の血小板を攻撃する抗体(免疫グロブリン)を自分で作ってしまうことにより起こります。また、比較的頻度は少ないですが、全身に血栓ができることで血小板が減る血栓性血小板減少性紫斑病という病気もあります。発熱、腎機能障害、精神症状、貧血を伴うことがありますが、これらの症状が揃わず、診断が難しいこともあります。
      血小板が通常より増える病気の代表的なものは、本態性血小板血症があげられます。
      一方、さまざまな原因で血管の中で血が固まってしまう血栓症は、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓と、重篤な病態の原因になります。
      このような血栓が血管の中にできるのを防ぎ、心臓や脳などの重篤な障害を防ぐうえでも、当科は重要な役割を果たしています。
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