社会医療法人 札幌清田病院

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リウマチ科

 リウマチ科では、関節リウマチを中心に、いわゆる膠原病と呼ばれる免疫異常に由来する病気の診断と治療を行っています。特に関節リウマチに関しては、最近治療法が著しく進歩しており、炎症を引き起こすサイトカインを阻害する生物学的製剤の登場により、関節の炎症や骨や軟骨の破壊が進むのを抑えることが可能となりました。当院でも、積極的に生物学的製剤を使用し、良好な成績をあげています。

リウマチ科の対応疾患

  • 関節リウマチ
  • シェーグレン症候群
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • 抗リン脂質抗体症候群
  • 皮膚筋炎・多発性筋炎
  • 全身性強皮症(全身性皮膚硬化症)
  • ベーチェット病
  • 混合性結合組織病
  • リウマチ性多発筋痛症
  • 成人発症スティル病
  • 強直性脊椎炎
  • 変形性関節症
  • 痛風

など

関節リウマチについて

関節リウマチとは、免疫異常により、全身の関節が腫れて痛む病気です。
女性に多く、発症年齢のピークは、40~50歳台です。手指や足指の関節から発症することが多く、左右対称性に関節が痛くなり、朝起きた時に強いこわばり感を生じます。いったん発病すると、慢性の経過をたどることが多く、しだいに関節の破壊が進行し、身体機能とQOL(quality of life: 生活の質)の低下をきたします。
診断は、関節痛の程度や部位、朝のこわばりなどの症状と血液検査、関節X線検査、関節エコーなどを参考にして行われます。主な治療法は、薬物療法、理学療法・リハビリテーション、外科的治療(手術)です。関節リウマチの治療は最近、非常に進歩しており、発症早期から適切な治療を行うと、関節破壊の進行をかなりの程度遅らせることができるようになりました。また、生物学的製剤の使用により、痛みや炎症がない「寛解」という状態を長期間維持することが可能となってきています。

  • リウマチ・膠原病

     関節が痛い(全身のいろいろな関節が痛い。両手の指や手首、肘、膝、足首、足の指の関節が痛い)。関節がはれている。朝起きた時に、手がこわばって握りにくい。微熱があり、からだがだるい。足の親指のつけねが痛い。特に運動後ではないのに筋肉が痛い。からだや顔にへんな皮疹が出ている。手に力が入らない。口の中が乾燥する。つばが出なくて、飲み込みにくい。涙が出ない。眼が乾燥したり、違和感がある。原因不明の発熱が続いている。

    疾患に対する取り組み、当院の特徴

     リウマチ科では、関節リウマチを中心に、いわゆる膠原病と呼ばれる免疫異常に由来する病気の診断と治療を行っています。
    特に関節リウマチに関しては、最近治療法が著しく進歩しており、炎症を引き起こすサイトカインを阻害する生物学的製剤の登場により、関節の炎症や骨や軟骨の破壊が進むのを抑えることが可能となりました。当院でも、積極的に生物学的製剤を使用し、高い効果を認めています。

    主な検査

    • 血液検査:炎症反応(赤沈・CRP)、リウマチ因子、抗CCP抗体、各種自己抗体
    • 関節X線検査
    • 関節エコー検査

    主な治療法

    非ステロイド系消炎鎮痛薬

    炎症を起こしている関節の痛みを抑える働きがあります。炎症の原因をなおす作用はないので、リウマチの進行を抑えることはできません。副作用として、胃潰瘍・十二指潰瘍、肝機能障害、腎機能障害を起こすことがあるので、長期間使用する場合は注意が必要です。

    ステロイド薬

    強力かつ速やかに炎症を抑え、痛みをとる作用があります。しかし、大量に使用したり、長期間使用すると、血糖を上げたり、胃腸障害を起こすなどの副作用が起こることがあるので、量や使用期間を医師の指導をきちんと守って使う必要があります。

    抗リウマチ薬

    免疫異常を是正することにより、関節リウマチの進展を抑えます。効果に個人差があり、薬によっては、効くまでに2-3ヶ月かかります。薬によっては副作用があるので、定期的な血液検査が必要です。
    次のような薬があります。

    1. モーバー、リマチル、アザルフィジンなど
      早期や比較的軽い症状の場合に使用します。
    2. メトトレキサート
      1.の薬を使用しても効果がない場合に使用する薬で、週に1-2日服用します。強力に免疫を抑制し、高い効果を有します。頻度は少ないですが、副作用として肝機能障害や肺炎が起こることがあるので、医師の指示にしたがって服用することが必要です。
    3. タクロリムス
      強力な免疫抑制剤で、比較的高い効果を有します。副作用として、腎機能障害、高血糖などがあります。
    4. 生物学的製剤
      関節の炎症を引き起こす物質(サイトカインといいます。関節リウマチを起こす代表的なサイトカインは、TNF-αとIL-6です)の働きを阻害して、関節の炎症や骨破壊の進行を抑制する作用があります。現在、以下の4種類が使用されています。いずれの薬もとても高い効果を有していますが、免疫の働きを抑えるので、感染症に注意しなければなりません。また、薬の値段が高価なので、担当医とご相談ください。
      1. レミケード
        TNF-αの作用を阻害します。初回後は、2週間目と6週間目、その後は2ヶ月に一度の点滴です。メトトレキサートとの併用が必要です。
      2. エンブレル
        TNF-αの作用を阻害します。1週間に2回の皮下注射です。医師の指導により、家庭で自己注射をすることができます。
      3. ヒュミラ
        TNF-αの作用を阻害します。2週間に1回の皮下注射です。指導により、自己注射をすることができます。
      4. アクテムラ
        IL-6の作用を阻害します。4週間の1回の点滴です。
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